飛べない鳥


仲良かった子のこと、嫌いになってしまった。
裏切られた気分。
変な噂をばらまいて、それで、どうしたかったの?
あの子はわたしのこと笑ってる。
あの子のせいでわたしは友達をうしなったの。
ねぇ、いつからそんなこと言うようになったの?
ねぇ、いつからそんな遠くに行っちゃったの?
手を伸ばしても、もっと遠くへ行っちゃうだけなんだね。
あぁ、わたしはなんて可哀想な子。
あの子だって、いつかは本性がばれるんだ。
なんてひどい子、なんて卑劣な子。
自分を哀れむだけでなく、誰かを恨み、妬んで、わたしはなんて汚い子。
自分を可哀想だって言って、それだけじゃ足りないの。
誰かを酷く言わないと、わたしだけじゃ意味がない。
そんなことしか思ってない自分が、わたしは大嫌い。
どうしてそんなことしか思えないの?
あぁ、なんて汚れた自分。
これじゃあ翼が重くて飛べやしない。
この汚れを落とさなくちゃ。
でも、長い時間がかかるから、そう簡単には飛び立てない。
一度ついてしまった汚れは、なかなか落ちないもの。
ねぇ、いつかは、こんなわたしも大きく飛び立てるかな。
ねぇ、いつかは、こんなわたしを愛してくれる誰かが現れるかな。