白いスニーカー


僕が動かなくても地球は回るし、
僕が速く走っても自転の速度は変わらない。
空が映る水たまりを蹴散らしたって、
靴が汚れるだけ、水が飛び散るだけ。
世界は何も変わらない。
僕がいてもいなくても、きっと何も変わらない。
それでも僕は歩いていく。
図太くたってそれでいい。
図々しくたってそれでいい。
誰かに必要とされなくたって、僕は僕を生きたいんだ。
だからまた一歩、僕は踏み出す。
もう白とは呼べないくらいに汚れて、
破けて、ぼろぼろになったスニーカーで。