まばたきするほど


あの日、僕の目に焼き付いた君の笑顔。
忘れたくないはずなのに、
どうしてだろう、
まばたきするたび薄れてゆく。
そのうち少しも思い出せなくなって、
名前も、性格も、声も、交わした言葉も、何もかも忘れてしまうのかな。
これじゃあ君の言ったとおりだよ。
忘れたくなくても、いつかは忘れてしまうって。
僕は君を心から愛していたはず。
それなのに、忘れてしまうっていうのかい?
そんなこと思っている間にも時間は流れ、僕はまばたきをする。
ほら、また、君の顔にモザイクがかかる。